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2026年10月17日

社員が「ベトナムからリモートで働きたい」と言ったら|会社側の課税の論点

配偶者の駐在への帯同やビザ免除での滞在など、「ベトナムに住んで、仕事はリモートで続けたい」という社員からの相談が増えています。本人の税金や在留資格に目が行きがちですが、論点は会社の側にもあります。

条約の規定や、課税の拠点とみなされた場合の影響の詳しい解説は、InfoBankに寄稿した記事をご覧ください。

(InfoBank)ベトナム在住でリモート勤務、会社側が整理すべき課税リスク

基準になるのは、ベトナムで働く期間

日越租税条約第5条第4項は、日本の会社が社員を通じてベトナムで役務を提供し、それが12か月の間に合計6か月を超える場合、その会社はベトナムに恒久的施設(課税の拠点)を持つものとしています。社員が帯同のTRCで住んでいるか、ビザ免除で出入りしているかは関係ありません。

この規定は顧客向けの案件を想定した書き方で、日常の社内業務をベトナムからこなす場合に当たるかは、条文からは決まりません。当たるとも当たらないとも言い切れません。みなされれば、ベトナムでの税務登録と申告が必要になり、さかのぼっての課税の対象にもなりえます。負担になるのは、税額そのものより、登録・申告の手続きと当局への説明です。

黙認しても、リスクは会社に残る

正式には認めず、本人に任せている会社もあると思います。しかし課税の拠点の論点は、社員がベトナムで働いているという事実から生じます。会社が認めたかどうかは関係ありません。

本人も板挟みになります。個人所得税を申告すれば、日本の会社の社員としてベトナムで働いていることが記録に残り、申告しなければ未申告になります。

会社が取れる道は三つ

いまの雇用のまま、ベトナムから長期で働いてもらい、そのうえで会社のリスクをなくす方法は、実質的にありません。

道 中身 残るもの
認めない 会社としてリスクを取らない 休職・退職も含め、本人と話すことになる
短期に限る どの12か月をとっても、ベトナムで働く期間を合計6か月未満に収める 本人の在留・就労資格は別に残る。長く帯同する人には使えない
雇用の形を変える ベトナムの法人で雇う、業務委託に切り替える それぞれ別の手続きと論点があり、個別の検討が要る

「短期に限る」なら、社内業務の数え方が決まっていなくても、働く期間そのものが6か月に届かない限り、条約の線は越えません。ただし12か月は暦年ではないので、どこから数えても6か月に届かないように管理する必要があります。

どの道を選ぶかは会社の判断です。決めないまま黙認していると、上のリスクが会社に残ります。

社員本人の側の在留と税金は、次の記事でまとめています。

本稿は2026年10月時点の情報にもとづいています。


社員のベトナム勤務について、方針を決めかねている方へ

会社としてどの道を取るかの整理から、ベトナム側の手続きまでお手伝いします。

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