ベトナム法人税、新設の中小企業は3年免税の方向

■2025年に打ち出された中小企業向けの支援策の中でも、特に注目されるのが、初回の企業登録証明書(ERC)の発給から3年間、法人税が免除されるという制度です。制度の根拠は国会決議198/2025/QH15にあり、その具体化として政令20/2026/NĐ-CPが2026年1月15日に施行されています。

■新しく事業を始める会社にとって、設立直後の数年間は資金繰りや再投資の余力がとても重要です。そういう意味で、この3年免税は中小企業にとってかなり前向きな制度といえます。しかも、要件を満たせば、ベトナムで設立された外資企業でも対象になり得ることが、政府系Q&Aでも示されています。

■ここで注意したいのは、「新しく会社を作れば自動的に3年免税」ではないという点です。対象となるのは、ベトナム法上の中小企業に当たる会社であり、その判断は感覚ではなく、中小企業支援法と関連ルールに基づいて行われます。つまり、見た目に小さい会社でも、法的に当然に対象になるとは限りません。

■また、この免税は初回登録であることが前提で、期間も初回ERCの発給年から連続して数えます。制度施行前に設立された会社でも、まだ残り期間があればその範囲で適用されますが、あとから都合よく3年を取り直せるわけではありません。

■さらに、制度上は、既存事業の載せ替えのように見えるケースにはかなり慎重です。合併、分割、所有者変更、会社形態変更などで作られた会社は対象外とされており、法定代表者や最大出資者が、すでに活動している別会社や、解散後12か月以内の旧会社で同様の立場にあった場合も、対象外となることがあります。

■方向性としては「中小企業にとって朗報であり、免税になる方向」と見てよい一方で、現時点では、すべての会社が安心していきなり法人税ゼロで申告してよいという段階でもありません。政府系Q&Aでも、最終的には各社の書類や実態を前提に、所轄税務署へ確認するよう案内されています。制度の骨格は見えてきていますが、個別適用の場面ではまだ慎重さが必要です。

 

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