バックオフィス業務を無理に内製化しないほうがよい理由

■ベトナム子会社の運営では、経理・税務・労務を含むバックオフィス業務を、現地でどこまで内製化するかが悩みどころになります。もちろん、事業規模や管理方針によっては内製化が適している場合もありますが、設立初期や小規模運営の段階では、無理に内製化しないほうが安定しやすいケースが少なくありません。

■理由のひとつは、頻度の低い重要イベントへの対応です。たとえば税務調査対応やVAT還付、突発的な当局対応などは、日常業務だけを見ている社内担当者にとって経験の蓄積がしにくく、いざ発生した際に大きな負担になりがちです。こうした論点は、平時の処理能力とは別に、個別の実務経験や外部専門家との連携がものをいいます。

■また、現地で担当者を一人採用して運営する体制には、人材面のリスクもあります。採用時にはスキルや資格だけでなく、報連相の精度、責任感、改善意識といった実務上重要な要素を見極める必要があります。しかし実際には、採用してみないと分からない部分も多く、期待とのギャップが生じることもあります。さらに、退職してしまえば引継ぎが不十分なまま業務が止まり、結局ゼロから立て直しになることもあります。

■その点、外部の専門家や支援会社を活用する体制であれば、担当者個人に依存しにくく、複数名体制や蓄積された実務ノウハウを使いやすいというメリットがあります。日常運用は標準化しつつ、必要に応じて会計・税務・労務・法務の各専門家と連携する形のほうが、結果として安定しやすいことは多いです。

■特にベトナムでは、会社設立後まもなく定期申告や労務対応が始まり、制度改正や運用変更も珍しくありません。
そのため、最初から「すべてを自社だけで抱える」前提にするよりも、社内で管理すべきことと、外部と連携すべきことを分けて考えるほうが現実的です。

■内製化そのものが悪いわけではありません。ただ、設立初期や少人数運営の段階では、無理に抱え込むよりも、必要なところで外部の知見を使える体制を整えておくほうが、結果として時間・コスト・リスクの面で合理的なことが多いといえます。

 

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