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2026年9月28日

ベトナムのVATインボイスはいつ出すか|物は引き渡し時、サービスは完了時か入金時(政令254/2026対応)

ベトナムのVATインボイスを、いつ発行するか。基準は入金ではなく、物の引き渡しやサービスの完了です。物の販売は比較的はっきりしていますが、判断に迷いやすいのはサービスです。日本の請求書の感覚で運用していると、ここがずれていることがあります。本稿では、物とサービスに分けて原則を整理し、実務でよく見るずれを取り上げます。

根拠となる政令は、7月1日から政令254/2026/NĐ-CPに変わりました(政令123/2020/NĐ-CPと政令70/2025/NĐ-CPは失効)。ただし、発行時点の原則は以前と同じです。

なお、輸出、建設・据付、電気・通信・物流・保険などの一部の業種には、発行時点について個別の定めがあります。本稿は、こうした特例に当たらない一般的な物の販売とサービスを前提にしています。

物の販売は、引き渡した時点

物を売る場合は、所有権または使用権が買い手に移った時点で発行します。代金を受け取っているかどうかは関係ありません(政令254/2026第9条第1項)。

代金を先に受け取った場合も同じです。先払いがあっても、発行するのは引き渡した時点です。この点は、次に述べるサービスと扱いが異なります。

複数回に分けて納品する場合は、納品のたびに、その分のインボイスを発行します(同条第3項)。月中の納品分を月末にまとめて1枚のインボイスにする運用は、日本の締め請求に近いものですが、この原則から外れます。

サービスは、完了した時点か、先に入金があればその日

サービスの場合は、提供が完了した時点で発行します。これも入金の有無は問わず、外国の会社や個人に提供する場合も同じ扱いです(同条第2項)。

ただし、提供の前や途中で代金を受け取った場合は、受け取った日に発行します(同項)。契約で前払いと定めているかどうかは関係なく、その月のサービスをまだ始めていなくても同じです。完了より先に入金があれば、入金日が発行日になるということです。

例外として、民法上の手付金、つまり契約の履行を担保するために預かるお金は、受け取った時点で発行する必要がありません。ただし、「着手金」などと呼んでいても、代金の一部を先に支払うものであれば前払いとして扱い、受け取った日に発行します。

段階ごとに引き渡すサービスは、引き渡しのたびに、その分のインボイスを発行します(同条第3項)。

判断が分かれやすいのが、月額の顧問料やサポート料です。毎月の初めに、入金前に発行している例がありますが、この時点では入金もなく、その月のサービスも完了していないため、どちらの基準にも当たりません。月末までに入金があればその日に、なければ月末に発行するのが原則どおりの形です。月初に発行したい場合は、月初に入金してもらえばその日に発行できます。

取引先から、インボイスが届かないと支払手続きに入れないと言われることもあります。その場合は、先に支払依頼書(đề nghị thanh toán)を送り、入金を確認した日にインボイスを発行する方法があります。日本の「請求書」は支払いを求める書類であり、ベトナムの「インボイス」は税の書類です。二つを分けて考えると、手順を組み立てやすくなります。

早めの発行

遅れるよりは早めに出しておく方が安全だと考えられがちです。しかし罰則の条文は「正しい時点ではない発行」を対象としており、早すぎる場合を除外していません。支払いを受けるために引き渡し前に発行することは認められない、とする実務の解説もあります。物でもサービスでも、発行日は上の基準に合わせる必要があります。

罰則

インボイスの時点違反の罰則は、政令125/2020/NĐ-CP(政令310/2025/NĐ-CPで改正)に定められています。2026年1月16日から、違反したインボイスの枚数に応じた段階制になりました。

時点違反は、最も重い100枚以上の区分で5,000万〜7,000万ドン、インボイスを発行しなかった場合は、50枚以上の区分で6,000万〜8,000万ドンです。いずれも法人の金額で、個人はその半額です。一つの事案で時点違反が複数あれば、枚数に応じた一つの違反としてまとめて処罰されます。毎月の運用がずれていると、その枚数は取引先の数と月数に応じて増えていきます。

当社の運用と、契約の書き方

当社では、月額の顧問料について、月末までに入金があれば入金日に、入金がなければ月末に、当月分のサービスとしてインボイスを発行しています。

インボイスの発行日は、実務では契約の支払条件と、引き渡しや検収の定め方でほぼ決まります。契約書を作る段階で、いつ何を引き渡し、いつ支払うのかを、インボイスの発行日とあわせて決めておくことをお勧めします。

本稿は2026年9月末時点の法令にもとづいています。


インボイスの発行運用を見直したい方へ

契約書の支払条件とインボイスの発行時点をあわせて確認し、運用の見直しをお手伝いします。

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