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2026年6月27日

日本法人とベトナム法人の両方から給与を受ける場合の個人所得税

ベトナムに居住する日本人が、ベトナム法人Bから給与を受け取りつつ、日本法人Aからも給与を受け取るケースがあります。

この場合、まず押さえるべきポイントはシンプルです。

日本側は「どこで働いたか」で見る。
ベトナム側は「ベトナム居住者かどうか」で見る。

日本側の取扱い

本人が日本の税務上の非居住者であり、日本法人Aからの給与がベトナム勤務に対するものであれば、原則として日本側で源泉徴収は発生しません。

日本法人から支払われていても、その給与が国外勤務に対応するものであれば、通常、日本の国内源泉所得には該当しないためです。

一方で、日本出張や一時帰国中の日本勤務に対応する給与がある場合、その部分は日本で源泉徴収の対象となる可能性があります。

また、日本法人Aの役員報酬に該当する場合は、使用人給与とは扱いが異なり、原則として日本側で源泉徴収が必要になります。

ベトナム側の取扱い

ベトナム側では、本人がベトナム税務上の居住者であれば、原則として全世界所得がベトナム個人所得税の対象になります。

したがって、ベトナム法人Bからの給与だけでなく、日本法人Aからの給与も、ベトナムPITの計算対象に含める必要があります。

ここで重要なのは、日本で源泉徴収されているかどうかと、ベトナムで課税対象になるかどうかは、別の問題という点です。

たとえば、日本法人Aからの給与がベトナム勤務分であり、日本側で源泉徴収されていない場合でも、本人がベトナム居住者であれば、ベトナムではPITの対象になります。

逆に、日本国内勤務分として日本で源泉徴収される給与であっても、ベトナム居住者である限り、ベトナムPITの計算対象に含めます。この場合は、日本で納付した税額について、ベトナム側で外国税額控除などによる二重課税調整を確認します。

整理すると

給与の種類 日本側 ベトナム側
A社給与:ベトナム勤務分 原則、源泉徴収なし PIT対象
A社給与:日本勤務分 源泉徴収の可能性あり PIT対象
A社役員報酬 原則、源泉徴収あり PIT対象
B社給与 通常、日本では課税なし PIT対象

まとめ

日本法人Aとベトナム法人Bの両方から給与を受け取っている場合、ベトナム給与だけを見てPITを計算すると、日本法人Aからの給与が漏れる可能性があります。

日本側では、非居住者の給与について、基本的に勤務場所で課税関係を判断します。一方、ベトナム側では、ベトナム居住者である以上、日本法人Aからの給与も含めて、全体の給与所得を整理する必要があります。

日本で源泉徴収されていないから、ベトナムでも課税されない。
日本で源泉徴収されているから、ベトナムでは申告不要。

いずれも正しくありません。

日本側の課税とベトナム側の課税は、別々に判断します。そのうえで、同じ所得に対して日越双方で課税が生じる場合には、二重課税調整を確認します。

EACHでは、日本法人とベトナム法人の双方から給与を受け取る日本人について、給与の全体像、日越双方の課税関係、ベトナムPIT申告上の整理をサポートしています。

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