ベトナムで外資企業を設立する際によく出てくる言葉が、IRCとERCです。日本語では、IRCは投資登録証明書、ERCは企業登録証明書と説明されることが多いです。名前が似ているため混同されやすいですが、実務上の役割は異なります。
IRCとERCは何が違うのか
IRCは、外国投資家がベトナムでどのような投資プロジェクトを行うのかを登録するものです。ERCは、会社そのものを登録するものです。
日本本社へ説明する際は、IRCを「投資計画の登録」、ERCを「会社の登記」と分けて説明すると理解されやすくなります。
IRCは投資プロジェクトの登録
IRCでは、事業内容、投資規模、実施場所、期間など、投資計画に関する情報が中心になります。外資企業として新しくベトナムに進出する場合、予定事業が外資に認められるか、追加条件があるか、事業場所や資本金との整合性があるかを確認します。
小売、飲食、教育、医療、美容、広告、物流などは、追加ライセンスや個別確認が必要になることがあります。そのため、IRCの検討では、単に会社を作るだけでなく、実際にやりたい事業ができるかを確認します。
ERCは会社そのものの登録
ERCは会社そのものの登録です。会社名、住所、代表者、資本金、法定代表者など、法人としての基本情報が記載されます。
ERCが発行されると会社としての基本的な登録は進みますが、それだけで全ての営業活動が自由に始められるとは限りません。事業内容によっては、設立後に追加ライセンス、税務登録、電子インボイス、銀行口座、会計帳簿などを整える必要があります。
どちらか一方で足りるケースはあるか
外資として新しく会社を設立する場合、IRCとERCの両方が論点になるケースが一般的です。ただし、株式取得、持分取得、ローカル会社の買収、既存会社の変更など、進出方法によって確認すべき手続きは変わります。
最初から「IRCとERCを取ればよい」と決め打ちせず、事業内容と出資形態から整理することが重要です。
実務で確認すべきポイント
実務では、事業コード、外資規制、オフィス住所、資本金、代表者、追加ライセンスの有無を同時に確認します。ここを誤ると、会社は設立できても、実際にやりたい事業を始める段階で追加確認が必要になることがあります。
- 予定事業が外資に認められるか
- 事業コードと実際のサービス内容が合っているか
- オフィス住所が登記や許認可に使えるか
- 資本金と事業規模に整合性があるか
- 設立後に追加ライセンスが必要か
日本本社向けの説明で気をつけること
現地制度をそのまま翻訳しても、日本本社では判断しにくいことがあります。EACHでは、現地の制度名を説明するだけでなく、事業開始までに何を決めるべきか、日本本社がどのタイミングで判断すべきかを整理します。
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