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2026年6月3日

ベトナムWP・TRC申請に会社eIDが必要に?新設FDI法人が注意すべきVNeID実務

ベトナムでは近年、VNeIDおよび会社eIDの利用範囲が急速に広がっています。これまで、外国人駐在員のWork Permit(WP)やTemporary Residence Card(TRC)の取得手続は、VNeIDや会社eIDとは直接関係しない形で進められることが一般的でした。

しかし最近の実務では、WP・TRC等の申請にあたり、事前に会社eIDの取得・紐づけが求められるケースが出ています。特に新設FDI法人では、会社設立後の手続順序に影響する可能性があるため、早い段階で確認しておく必要があります。

本記事は、現時点で確認される実務上の論点を整理したものです。実際の対応は、管轄当局、会社の状況、代表者構成により異なるため、個別確認を前提にしてください。

会社eIDとは

会社eIDとは、ベトナム法人がオンライン行政手続を行うための電子識別アカウントです。今後、税務、電子インボイス、労務、ビザ・滞在許可関連など、さまざまな行政手続で重要性が高まると考えられます。

会社eIDの取得・利用には、原則としてVNeIDを持つ法定代表者等による認証が必要になります。

新設FDI法人で問題になりやすい点

新設FDI法人では、外国人が法定代表者になるケースが多くあります。しかし、外国人がVNeIDを取得するには、通常、TRC等の滞在資格が必要になります。

そのため、以下のような問題が生じる可能性があります。

  • 外国人代表者のWP・TRCを取得したい
  • しかし、WP・TRC申請には会社eIDが必要となるケースがある
  • 会社eID取得には、法定代表者等のVNeIDが必要
  • しかし、外国人代表者はまだTRCがないためVNeIDを取得できない

いわゆる「鶏卵問題」です。

実務上の対応策

このような場合、実務上は、VNeIDを持つベトナム人等を一時的に法定代表者として登録し、その者のVNeIDを使って会社eIDを取得・紐づけする対応が検討されます。

その後、外国人駐在員がWP、TRC、VNeIDを取得した後に、会社eIDを外国人側のVNeIDへ紐づけ直し、一時的な法定代表者を外す流れです。

想定される流れは以下です。

  1. VNeIDを持つ一時的な法定代表者を登録
  2. 会社eIDを取得・紐づけ
  3. 外国人駐在員のWPを申請
  4. TRCを取得
  5. 外国人駐在員がVNeIDを取得
  6. 会社eIDを外国人駐在員のVNeIDへ紐づけ直す
  7. 一時的な法定代表者を削除する

注意点

一時的であっても、法定代表者として登録される以上、対外的な代表権限が問題となる可能性があります。そのため、単に「eID取得のためだけ」と考えるのではなく、以下の点を事前に整理する必要があります。

  • 権限範囲を限定する覚書を作成する
  • 契約締結、借入、資産処分等を行わないことを明確にする
  • 外国人代表者のVNeID取得後、速やかに本来の体制へ戻す

まとめ

ベトナムでは、VNeIDおよび会社eIDが行政手続の重要な入口になりつつあります。特に新設FDI法人で外国人を法定代表者とする場合、従来のように「会社設立後にWP・TRCを取得し、その後VNeIDを取得する」という流れだけでは対応できないケースが出てくる可能性があります。

今後ベトナム法人を設立する場合は、会社設立、WP、TRC、VNeID、会社eIDの取得順序を事前に確認し、必要に応じて一時的な法定代表者の選任や会社eIDの管理方法まで含めて検討することが重要です。

WP・TRC、VNeID、会社eIDの取得順序で迷う場合

EACHでは、会社設立後の手続、代表者構成、現地専門家との確認事項を日本語で整理します。

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